プラトン『国家』

留学先の武漢大学の図書館には、岩波書店の本がそれなりに揃っている。以前聞いたところによると、出版社が出した本を送ってくるらしい(但し蔵書を見る限り、どういう基準なのかはよくわからない)。


先日、ようやく図書館のカードを作ったこともあり、自分の留学中に今まで読まなかった古典を読んでみようと一念発起。
というわけで、栄誉ある(←大袈裟)1冊目に選んだのが、プラトンプラトン全集〈11〉 クレイトポン 国家である。

プラトン全集〈11〉 クレイトポン 国家

プラトン全集〈11〉 クレイトポン 国家

以前、とある必要から『国家』をななめ読みしたことはあったものの、通して読むのはこれが初めてである。


読み終えた感想は、「面白い」の一言に尽きる。
現在でも十分通用すると思われるテーマが綺羅星のように散りばめられており、約2400年前の作品とは思えない。無論、その後の哲学者・思想家などによって、否定され止揚された論も多いのではあろうが、その基礎がプラトンにあると考えられるのではないだろうか。さらに、哲学と数学の密接な関係が、すでにプラトンの著作の中に見られるのも興味深い。また、著者の意図はともかくとして、対話形式という著述方法により、内容的な難しさはあるものの、極めて読みやすくなっているという印象も持った。


さて、次は何を読もうかな。