雪やこんこ、名刺はこんなん?

数日前から断続的に降り続けた雪は、昨日も続き武大の中は一面の雪景色。こんな日はコタツに入ってヌクヌクとしたいところだが、あいにく試験があったので、行かないわけにはいかない。そんな中、ベトナム人やアフリカの方々は雪合戦に興じるなど、雪が降るのが楽しくて仕方ない様子、そのテンションの高さは昔の自分を見ているようだった。


さて、試験も終わり宿舎に戻る道すがら、多くの人たちが雪だるま?を作っているのを目にした。特に、留学生宿舎の近くでは、様々な国籍の人が雪だるまを作るので、バラエティーに富むと言うか、国際色豊かである(ちなみに、武大で最も多く目にした雪だるまは、真ん中辺りにある三角雪だるまだった)。中でも宿舎門口の前で、アフリカの方が作成中だった女性像(写真は完成品)、これは芸術作品と言っても過言ではない(特に、眼・鼻・胸などデティルにこだわりを感じた)。彼がこちらに来て何年目かはわからないが、今までほとんど雪に触れたこともないであろうに(武漢でもここまで降るのは稀みたい)、このセンスは天性のもの。

帰宅後、アキムと夕食&自分の名刺作りに出発。この日行った食堂は一昨日行った食堂の2階、アキムはここが一番おいしいと言うが(ちなみに一昨日行ったのは、クリスが一番おいしいと主張したお店)、どちらも、それほど味に違いがないように思うのは私だけでしょうか…(もしかして、味覚音痴?)2人で食事を済ませた後、さっそく名刺作りのお店へ。ここはアキムが先日名刺を作ったお店で、彼曰く、「時間はかかるが、真摯に対応してくれた」店員さんがいるそう。2人で氷上を浅田姉妹のように舞いながら、お店に到着すると、まずは雪のペンギンがお出迎え。中に入ると、明らかに人のよさそうな2人(男性と女性)が我々を迎えてくれたのだが、これが今から始まる2時間にもわたるバトルのゴングが打ち鳴らされた瞬間だった。アキムが手早く自分を紹介し店を去ると、ここからがバトル本番。

まず面倒だったのが、日本で所属している大学の校章。今までの名刺にも入れていなかったので初めはいらないと思ったのだが、「絶対必要(byアキム)」という年長者の意見に耳を傾け、今回は入れることにしてみた。校章は大学のHPをプリントスクリーンして持っていったのだが、これを参考に店員さん(女性、男性は基本的に瓜子をずっと食べていただけ)が巧みにPCを使いながら作成。いつもは陳腐に見えていた校章も、こうやって見るとそれなりにこだわりを持って作られたようだと新たな発見。その次は、日本の漢字との戦い。日本の漢字は一部を除いて繁体字を踏襲しているが、中国(大陸)では極力簡体字に改めているので、一致しない漢字が多いのだ(ちなみに、日本から逆輸入された漢字もある)。特に自分の場合は、名前・所属・住所とほぼ全てにわたって、簡体字にはない漢字を使用しているので面倒さに拍車がかかった。そして、最後はデザインである。基本的にデザインなど自分の不得意分野は全て人に委ねることにしているのだが、今回は話が別。どうやら、中国人の描く名刺のデザインと自分が描くそれとの間には大きな隔たりがあるみたい。最後はお互いが疲れきり(男性店員は1人元気だった)、日本人お得意相互歩み寄りの和解調停で手を打つことに(主に、中国人に対して使うので、一応中国人の意見も参考にしてみた)。PCの性能に限界もあるので、全て満足できたわけではないものの、受け取りが楽しみだ。

その帰路で変わったものを発見。どうやら滑り止めに道路にズタ袋のようなものを敷いている。武大はいくつかの山をそのまま敷地としているので坂が多く、昨日・今日となすすべもなく坂をずり落ちていく車を何度も見たのだが、スタッドレスタイヤやチェーンの代わりに、こういう方法を取るんだと1人で納得してしまった。故郷も大学のある地方も豪雪地帯ではないので、これを見るのは初めてだったが、日本にもこういう方法をとっている(とっていた)地方があるのだろうか?そのまま宿舎まで戻ると、先ほどの女性像はすでに見る影もなく、かわりに、別の雪だるまが平和を声高に叫んでいた。彼の願いがかないますようにと、1人暖かな部屋へと戻っていったのであった。


追記.
本日夕食の後、名刺を受け取りに行ったのだが、予想以上の出来栄えに満足(今日はタバコを銜えたペンギン君が迎えてくれた)。更に、理由は不明だが、当初設定されていた値段より安くなっていた。最初の一枚は、同行してくれたクリスが欲しいとのことだったので、クリスに献上。多分、そのうち失くしちゃうんだろうな。ま、学会でレアキャラだって評された自分が、この100枚を2年間で使い切るとは思えないから良いんだけどね。
帰りに寄った超市で、アイスクリームと一緒に陳列されている雪だるまを発見。武漢の人は、本当に雪が楽しくて仕方ないみたい。そんな中、我々は明日から武当山に行くことになっている。果たして無事帰還できるのだろうか?それは、また別のお話…