パフューム

武当山から帰ってきて、毎日のように映画を見ている。

今日見たのはパフューム、以前映画館で予告編を見た時に見たいと思ったのだが、お店でDVDを目にするまですっかり忘れていた。


そもそも香水にまったく興味のない自分(以前、プレゼントしようと香水を購入した時に、直接香りを嗅いでかなりむせた苦い記憶まである)がこの映画に興味を抱いたのは、物語にとって重要な要素である香りをどのように視覚化し得るのかといった関心からだったのだが(臭覚とは当たり前だが見ることができないため、記憶が薄れやすい感覚の一つだと思われる)、残念ながら、この映画は如上の関心を満たしてくれることはなかった(映画館で見たら、違ったのだろうか?)。

それでも、サスペンスとしても優れており、映像美も楽しめるという、全体的に興味深い映画だったように思う(特に、結末は全く想像できなかった)。キリスト教的なメタファー(おそらく)が各所で登場し、もっとキリスト教に対する教養が自分にあれば、より楽しめただろう。しかしながら、主人公の処刑シーンでなぜ彼が香水の香りを観衆に嗅がせたのかという点については必然性がないように思われたし、最後のシーンも伏線がないままに唐突に出てきたという印象があるのだが、原作ではどうなっているのだろうか。

原作が世界的ベストセラーになっているらしいので、一度読んでみるのも良いかもしれない。