武漢大学の櫻

sasuke_pasya2008-03-17

昨日・一昨日と雨が降ったものの、武漢大学の櫻は散ることなく、満開まであと少し。


授業(精読)の時に、トルコ人同学が何気なく発した質問「どこの櫻が一番きれいなのですか」に先生が過剰に反応し、授業そっちのけで武漢大学の櫻について語り出した。話の内容は以下の通り。ちなみに、自分とあるのは、最前列に座っていた自分の心の声のこと。


老師「一番櫻がきれいなのは、もちろん日本。何せ、櫻は日本の花ですから。中国の櫻は開花する時に、葉っぱが付いていることもあるのですが、日本の櫻は花だけで本当にきれいです」

自分「ありがとうございます」

老師「でも、中国で有名なのは、武漢大学の櫻。武漢大学の櫻は日本ととても関係が深いのです」

自分「ギクッ」

老師「武漢大学は風光明媚な大学として有名だけど、櫻の季節は特に美しい」

自分「ホッ、話が移った」

老師「武漢大学の櫻はもともと戦争の時に、武漢大本営を置いた日本軍の兵士たちが、故郷の櫻を懐かしんで植えたものなのです」

自分「やはり、そこに触れますか…」

老師「しかし、現在皆さんが目にしている櫻は当時のものではなく、中国と日本が国交正常化した時に、田中角栄首相が武漢大学を訪れ、植樹したものなのです」

自分「へぇ〜」

老師「そもそも櫻の木の寿命は短く、そんなに長い間もちません」

自分「そうか?」

老師「その後も、日本から種が送られてきて、現在では武漢大学の各所で櫻を見ることができます。ちなみに、武漢大学の中に植えられている櫻は七種類もあります」

老師「そういえば、中国の櫻と日本の櫻の一番大きな違いは、櫻の実(つまり、さくらんぼ)が食べられるかどうかという点にあります。中国の桜の実は苦くて食べられません。およそ世界中にある櫻の実は食べられるのですが、残念です…」


この間、やじを飛ばすトルコ人同学に目も向けず、先生はひたすら話し続けた。後ろに座っていた同学たちは時間の無駄だとコソコソ話しているし、本当に困ったものである。
ともあれ、そんな武漢大学の櫻が満開になるのが待ち遠しい。そういえば、中国人ってお花見とかしないのかな?


追記.(2008・3・19)
京都には桜の名所がたくさんあるが、帰国したら長岡天神の桜をゆっくり見てみたい。