南京旅行記②−2(2008・04・20)

sasuke_pasya2008-05-01

タイ料理屋を出てから、タクシーで一路侵華日軍南京大虐殺逢難同胞紀念館に向かう。さすがに入る時は緊張したものの、チケットを買うわけでもなく、何事もなく入ることができた。一方、明らかに外人とわかる人々(白人さんや黒人さんなど)は受付の横で、警備員に止められて記帳させられていたのは何故だろう。


雨が降っていたこともあり、順路をめちゃくちゃに進んだので、まず辿り着いたのが万人坑遺址。ここはその名の通り、「南京大虐殺」の際に葬られた骨を発掘した現場である。発掘された骨がほぼ発掘時のまま展示されており、脇に説明が少々付されているのだが、それを見た瞬間ただただ悲しくなった。これでも歴史を学んでいるのだが、悲しみで何か胸が詰まる感じだけがして、頭で何かを考えると言う事ができなかった。その後、展示室に向かったのだが、「南京大虐殺」にかかわる資料だけではなく、日本の台湾侵略からの歴史を「丁寧」に説明した展示もあるなど、ここの展示はかなり充実している。展示には全て、中国語・英語・日本語で説明が付されており、時には(恐らく)意図的な訳や誤解を生じやすい説明などもあったが、来る前に抱いていた印象(偏見)からすれば、それほど感情的な展示ではなかったように思う。しかしながら、展示の最後に「覚えましたか?」という言葉が大きく掲げられていたのには、違和感を感じずにはいられなかった。


侵華日軍南京大虐殺逢難同胞紀念館を出た後に向かったのは夫子廟。ここは宋代に創建された孔子を祀る廟であるが、個人的に興味深かったのは、廟内に楽器がきちんと配置されていたことと、なぜか廟の対面にあった六朝期に活躍した王氏・謝氏の博物館(と言うほど、立派な建物ではなかったが)。前近代の楽器は以前ゼミで楽志を講読していたこともあって、どこに行っても興味を惹かれてしまう。また、王氏・謝氏の博物館は展示されているものは、恐らくほとんど複製品だろうが、一か所で観ることができたのは幸運だったのではないだろうか?その後、夫子廟の近くにある土産屋街を一通り歩いたのだが、どこに行っても鴨・かも・カモ…南京には他に特産品はないのだろうか?


その後、疲れた体を休めるべくホテルに引き返した2人だったが、昼に食べたタイ料理にやられて全くお腹がすかない。それでも、友人は1時間ほどするとお腹がすいたらしく、1人でご飯を食べに行った。そして、消化器官の働きが十分ではなかった自分は、部屋で待っていることにした。帰宅後、友人の買って来てくれた餃子を少しつまみ、後はニュースを見てチベット問題について語ったり、最近中国で始まったばかりの大奥を見たりして、疲れた体を休めたのであった。


追記.
そう言えば、この日タクシーに乗っている時にカルフール不買運動についてのニュースを聞いたのだが、南京のカルフールでは特に変わったところがなかった。この不買運動、中国全土と言うより、特定の地域で大きなうねりをあげているみたいだ。