細見和之『アイデンティティ/他者性 (思考のフロンティア)』など
本日は午前・午後ともに休講。午後の休講を確認してから、散歩がてら図書館へ。こんな良い天気なのに、ずっと部屋にいるのは勿体ない。
今日借りたのは、細見和之『アイデンティティ/他者性 (思考のフロンティア)』・ジャック・デリダ『デリダ、脱構築を語る シドニー・セミナーの記録』の2冊。前者は、帰属意識とかアイデンティティについて考えることが増えたので、手にとってみた。後者は、前から読んでみたかったデリダ自身が脱構築を語る講演録。
- 作者: 細見和之
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1999/10/22
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 14回
- この商品を含むブログ (19件) を見る
- 作者: ポール・パットン,テリー・スミス,ジャック・デリダ
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2005/10/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 2人 クリック: 7回
- この商品を含むブログ (29件) を見る
上にも書いたように、最近、帰属意識とかアイデンティティを考える機会が増えている。自分が外国で生活していることが一番の原因だと思うものの、移民としての経験を持つ人に出会う機会が増えているのも一因だろう。
例えば、自分が日本人であるという事実は、一緒に居る人間が誰でも変化しない。しかしながら、相手が日本人なら、自分は名古屋の人間と言うだろうし、もし宇宙人なら、地球人だと言うかもしれない。これは、己がどこに帰属しているかという意識は、相手によって変化するということを表している(ところで、自分が国家や民族などではなく、まさに己自身に帰属しているという感覚はもち得るのだろうか?)。また、近代以降、チャイニーズアメリカンなど同じレベルの集団(国家など)に複数の帰属意識を持つ人が増えている(恐らく、近代以前にもその傾向はあっただろうが、それが増加するのは近代以降だと思う)。一方、史料を読んでいる時、自分は上記の感覚を往々にして忘れ、史料上の人物の帰属意識・アイデンティティを1つに決めたがる傾向がある。現代の感覚をそのまま史料に持ち込むのは危険とは思うものの、メモしておく。
上に書いたのは所詮ただの与太話。この分野については、多くの研究があるだろうし、借りた本を取っ掛りにして、色々読んでみることにしよう。