武当山旅行記②(2008年1月17日前篇)

sasuke_pasya2008-02-18


ガサガサする音で目を覚ますと、昨晩倒れこんでいたはずのクリスがPCを出してゲームをしている。「大丈夫?」と聞くと、ケロッとした顔で「何が?」と逆に質問を返してくる。それを見て「心配して損した」と思う一方で、これで問題なく登山できると安心もした。みんなが目を覚ましたところで、お腹を満たしに近くのお店へ。食べたのはおなじみの熱干面だったが、武漢のものとは味付けが異なり、驚きつつも美味しく完食(クリス曰く、熱干面は湖北省の名物で、武漢のものはそれほど美味しくない(あくまで、クリスの主観)らしい…)。その後、シャワーを浴びていたクリスが準備を終えるのを待って、昨日訪れた登山口まで宿の車で向かう。


登山口に着いたところで、時計は8時45分をさしており、バスが出るまで余裕があると思いきや、クリスがPCを宿に忘れてきたことに気付き、慌てて宿に電話、戻ってきた車に乗り込み宿に向かう。彼が戻ってくるまでに9時発のバスは行ってしまい、いきなり暗雲が立ち込める。さらに、無事PCを確保したはずのクリスが戻って来たと思ったら、遠くからでもわかるほど怒っている。一体何があったのかと聞いてみると、どうやら宿に戻る際、荷物を預けていたお店で、お供えする線香を強制的に買わされたようだ。商魂たくまし中国人!そして、今度は待てど暮らせど乗り込んだバスが出発しない。どうやら、バスの席が埋まってから出発したいようだが、こんな時期(それも昨日まで吹雪いていた)に武当山に登ろうなんて物好きがそんなに居るわけがない。結局、1時間ほど待って、席が3分の1ほど埋まった第二便が出発したのだが、ここでもトラブル発生。普通は山頂辺りまで連れて行ってくれるはずのバスが、雪で道路が凍結しているため、登山口から一番近いバス停(およそ3合目?)までしか行かないとのこと。つまりそこからは、自動車では危険な道を自らの足で登らなくてはならないわけだが、それを聞いて早くもクリスのご機嫌は斜め。バスの中から見える景色は一面の銀世界、本当にこんな所をどこへ行くにもタクシーやバスを使うクリスは登ることができるのだろうか?


バス停に着き、一通り周辺を見た後、さっそく登り始めたものの、行けども行けども凍結した道が続くばかり。当初は氷柱を見つけては、折って遊ぶなど元気だった3人の口から疲れたの言葉が出始めたと思ったら、ついにはみんな黙り込んでしまった。武当山には「ここは○合目、山頂まであと△km」などの表示がほとんどないため、先が見えず気が殺がれてしまったのだろう。それでも、美しい風景やちょっとした建築物が眼前に広がると記念撮影をする元気はあるようで、しきりにこの風景を撮るように促したり、自分を写してとポーズを決める。中国人は自分を写されるのが本当に好きなみたいだ。その後、ようやく見つけたお店(時期が時期なので、ほとんどのお店は閉っていた)で遅めのお昼をとって英気を養った我々は再度頂上を目指し、その重い腰をあげたのだった。(続く)